ニンテンドー スイッチ Switch (HAC-001)冷却ファン交換手順

※ご注意

  1. 作業を始める前に、デバイスの電源が切れているか必ず確認してください。
  2. シールドプレートを取り外す際には、プレートとヒートシンク間のグリスを交換する必要があります。
  3. 2017年に発売されたNintendo Switch初代モデル(HAC-001)、2019年に発売された新しいモデルHAC-001(-1)に対応しています。

手順1: Joy-Conコントローラーの取り外し

  1. Switch本体の両側にあるJoy-Conコントローラーの背面にある小さな丸いボタンを押します。
  2. ボタンを押しながら、Joy-Conを上方向にスライドさせて取り外します。
  3. 反対側のJoy-Conも同様に取り外します。

手順2: 背面パネルのネジを外します

Y字ドライバー(Y00)を使用して、背面の四隅にある6.3mmのネジ4本を外します。

※組み立ての際に正しい位置にネジを戻せるよう、各ネジの装着位置をメモ書きしてください

手順3: 上部のネジを外します。

PH000ドライバーを使って、リアパネルを固定している以下のネジを外します。

・デバイスの上部側面の長さ2.5 mmネジ 1本

・デバイス下部側面の長さ2.5 mmネジ 2本

このような堅いネジが潰れないようにするためには、下向きにしっかりと力を入れ、ゆっくりと回してください。

手順4 下部側面のネジを外します。

PH000ドライバーを使用して、本体側面の3.8mmセンターネジ2本(左右各1本)を外します。

手順5

  • デバイス背面のキックスタンドを指で持ち上げます。
  • microSDカードスロットのmicroSDカードが入っている場合は、次の作業に移る前に取り出してください。

手順6

  • PH000ドライバーを使用して、キックスタンドウェルの1.6mmネジを取り外します。
  • キックスタンドを閉じます。

手順7

  • リアパネルをデバイス下部から持ち上げて取り外します。
  • ゲームカードカートリッジのフラップは、プラスチックシェルの半分に取り付けられているため、リアパネルを閉じた状態では完全に持ち上げることができません。
  • リアパネルを本体底面から持ち上げて、取り外します。

手順8 microSDカードリーダーを取り出します

PH000ドライバーを使って、デバイス本体にmicro SDカードリーダーを固定している、長さ3.1mm プラスネジを1本外します。

手順9

  • 指やピンセットを使って、microSDカードリーダーの接続を外してデバイスから取り出します。
  • 再組み立て作業では、フォームパッド下のプレスコネクタがマザーボードにしっかりと装着されているか確認してください。カードリーダーを再インストールする前に、フォームパッドを外しておくと便利です。

手順10 シールドプレートを外します

PH000ドライバーを使って、デバイスにシールドプレートを固定している長さ3mmネジを6本外します。

手順11 

指先もしくはピンセットを使って、ファンの排気ポート付近のデバイス上部端のフォームを剥がします。

フォームが簡単に剥がれない場合は、無理に剥がそうとすると破れてしまう可能性があります。慎重に場所を変えながら剥がしてください。

手順12

  • デバイスの端に沿って、シールドプレートの下部にヘラを差し込みます。
  • こじ上げてシールドプレートを持ち上げ、デバイスから取り外します。
  • ピンクの放熱グリスは、状態に問題がなければ再利用できます。グリスを良い状態に保ち、再組み立ての際にヒートシンクとシールドの間にしっかりと接触させてください。

作業で抵抗感を感じることがあります。シールドプレートはヒートシンクに放熱グリスで軽く装着されているため、問題ありません。

ピンク色の厚い放熱グリスが、シールドプレートとその下の銅製ヒートシンクの間の隙間を埋めています。これによりSwitchのオーバーヒートを防ぐことができます。

手順13 バッテリーのコネクタを外します

ヘラを使って、バッテリーのコネクタを上向きに持ち上げて、マザーボードから外します。

手順14 ヒートシンクを取り出します

PH000ドライバーを使って、ヒートシンクをマザーボードに固定している、長さ3mmネジを3本外します。

手順15 

スポンジはとてもデリケートで、簡単に破れてしまいます。以下の方法でスポンジを剥がしてください。

  • ヒートシンクとファンの両方に貼られた2枚の黒いスポンジを慎重に剥がしてください。
  • 何も装着していないスポンジ部分にヘラの先を差し込みます。
  • スポンジの上部を指で押して固定します。
  • ヘラの先端をスポンジ下の反対側先端までスライドします。

ファンをクリーニングできる程度まで、スポンジを剥がしてください。

手順16 

  • ヘラもしくは指先でヒートシンクを持ち上げて、マザーボードから外します。
  • ヒートシンクはグリスでCPUに軽く装着されているため、作業に抵抗を感じても問題ありません。
  • 90%以上濃度のアルコールとマイクロファイバークロスを使って、古いグリスをヒートシンクとCPUから拭き取ります。再組み立てをする前に、CPUに新しいグリスを塗布してください。
  • 以前にグリスが塗布されていたすべての表面に、新しいグリスを塗布してください。これには、ヒートパイプとアルミシールドの間も含みます。

手順17 ヘッドホンジャックとゲームカードリーダーを外します

開口ツールもしくは爪先で、デジタイザケーブルのZIFコネクタ上のヒンジ状のロッキングフラップをまっすぐ上に持ち上げます。

手順18

  • ピンセットを使って、ゲームカードリーダーのコネクタからデジタイザケーブルを水平にスライドして外します。
  • 再組立時にケーブルを挿入する前に、ZIFコネクタのロックフラップが上に 跳ね上がっていることを確認してください。
  • ケーブルが基板と平行になるように、ゆっくりとコネクタにスライドさせて装着します。
  • 修理後、タッチスクリーンが動作せず、ゲームカードリーダーが動作する場合は、このケーブルが正しく挿入されているかどうか確認してください。ゲームカードリーダーも動作しない場合は、代わりに次のステップでゲームカードコネクタを確認してください。

ケーブルを無理に差し込まないでください。挿入できない場合は、ロックフラップが確実に跳ね上がっていることを確認し、ケーブルの位置を変えてから、もう一度試してください。

手順19 

  • ヘラを使って、ヘッドホンジャックとゲームカードリーダーのコネクタを、マザーボードから持ち上げてコネクタを外します。
  • このようなプレスコネクターを再度取り付けるには、慎重に位置を合わせ、カチッと音がするまで片側を押し下げ、反対側も同様に押し下げます。真ん中は押さえないでください。コネクタの位置がずれていると、ピンが曲がって永久的な損傷を与える可能性があります。
  • 再組立後、タッチスクリーンが動作しない、またはゲームカードが検出されない場合、このプレスコネクターを完全に再接続していない可能性があります。慎重に外して、もう一度試してみてください。

手順20 

PH000ドライバーを使って、デバイスにゲームカードリーダーとヘッドホンジャックを固定している、長さ3.1mmネジを3本外します。

手順21 

ピンセットもしくは指先を使って、ヘッドホンジャックのブラケットを取り出します。

手順22

ピンセットもしくは指先で、ヘッドホンジャックとゲームカードリーダーのボードを取り出します。

手順23 

ヘラまたは指先でファンケーブルのZIFコネクタ上のヒンジ状のロッキングフラップを持ち上げます。

手順24

ピンセットを使って、マザーボード上のコネクタからまっすぐファンケーブルを引き抜きます。

手順25

PH000ドライバーを使って、ファンを固定している長さ4.8mmネジを3本外します。

手順26

ピンセットを使って、ファンをまっすぐ持ち上げてデバイスからファンを取り出します。

[放熱グリスの塗布ガイド]

手順1

放熱グリスを塗布する前に、古い放熱グリスをプロセッサーとヒートシンクから取り除いてください。

手順2

ヘラの平面側先端を使って、ヒートシンクのカッパーコアから凝固した放熱グリスを出来るだけ取り除いてください。

手順3

凝固した放熱グリスを取り除いた後でも、銅コアに残りが付着している場合があります。

手順4

  • コーヒーフィルターか糸くずの出ないリントフリーの布に少量のアルコール(濃度90%以上)を使って、ヒートシンク上のサーマルコンタクト表面に塗付してください。
  • アルコールの代わりに、クリーニング専用の溶剤(リムーバー)などを使うこともできます。
  • 表面上が綺麗になったら、 新しいコーヒーフィルターかリントフリーの布にアルコールを少量滴らして、表面上の油脂などを完全に拭き取ります。
  • チップやヒートシンクを触らないでください。埃やゴミが付着するのを防ぎます。指紋でもチップ上に熱を伝導する障害となることがあります。
  • ヒートシンクを完全に乾かします。

手順5

プラスチック製ヘラの平面側先端を使って、プロセッサー表面の凝固したグリスを完全に取り除きます。

この手順では金属製のヘラを使用しないでください。プロセッサー表面上のコンポーネントを壊さないように、サーマル部分がコンポーネント上で外れないようにご注意ください。(導電ペーストが問題の原因となることもあります)

手順6

  • 再度、コーヒーフィルターやリントフリーの布を使って、アルコールかクリーニング専用の溶剤(リムーバー)を1滴垂らして、プロセッサー表面上の放熱グリスを完全に取り除きます。
  • 表面上に付着した油脂やゴミを取り除きます。
  • プロセッサーが乾くのを待ちます。

手順7

  • グリスを塗布する場合、以下の方法で行ってください。
  • 薄いビニール手袋やサランラップなどを人差し指の先端を巻きます。
  • ほんの僅かな量のグリスをプロセッサーコアの上に塗布します。
  • プロセッサーコア全体に付けられたグリスを丁寧に指で伸ばします。
  • もし、アクシデントでプロセッサー上のグリーン色部分に放熱グリスが付いてしまった場合、特に問題とはなりません。
  • これでプロセッサーは新しいヒートシンク再装着の準備ができました。